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所蔵 2002年1月26日更新

書名 登録番号著者名(編者、監修) 出版元 価格
この国のかたち(一)(文庫版) 0023司馬遼太郎 株式会社文藝春秋社 419円+税
掲載開始日 最終更新日 確認掲載メディア数 書評展開レベル
2000年11月16日 2001年11月3日 11 ★★★
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本書は、司馬遼太郎氏が雑誌「文藝春秋」の巻頭随筆欄に連載されてきたものをまとめたもの。その第一冊目である(一)には、1986年から1987年に連載されたものが、まとめられている。氏のあとがきの言葉を借りれば、『終戦の放送をきいたあと、なんとおろかな国にうまれたことかとおもった。(むかしはそうではなかったのではないか)と、思ったりもした。そうした疑問を自分自身で明かしたかったのである。いわば23歳の自分への手紙を書き送るようにして書いた。』となる。その日本文化への洞察は他に比類のない巨大な塊となって、この本に凝縮していると私には思える。30代の自分が出会い、初めて自分から「これが、本来の教育現場にあるべきだった「歴史」の教科書ではないのか?」と思えた1冊。氏の奥様の福田みどりさんは、「これを教科書にしてはいけない。自分から考えることを止めず、事実の中から真実を見つけだす努力を止めないでほしい。」と言われたそうだが、本来教科書は、丸暗記をするものでもなく、歴史への態度を見つけだすガイドとなるべきと考えている私には、教師がそのガイド役として最も適した道具となる1冊を選ぶという意味で「教科書に最適!」という意見を曲げる気もない。本来の教科書の役割をもう一度考え直して欲しいもの!是非、少しでも多くの人に読んで欲しい。


書評リンク関連情報
●サイト“浄土真宗やっとかめ通信”という東海地区仏教青年連盟のサイトにこの国のかたち本・映画(ビデオ)の紹介と評論が掲載!●サイト“横手家のページ”にある“純介のページ”にも司馬遼太郎の世界というコーナーがあり、“この国のかたち”の紹介がある。前述の福田みどり氏の意見を紹介している。工事中なので今後の展開に期待大!●サイト“しほちゃんのおうち”にも司馬作品へのコメントがあるが、ロシアについてというテーマに絞られているのが現状。より、広く読み込まれるのを期待!●個人的な随筆の書評ページに発見!●サイト“奈良のホームページ”でも紹介と感想を掲載!●サイト“浜島書店”にある読みごたえのある本コーナーに書評。●サイト“Book of Days”にある司馬遼太郎の本コーナー(25冊以上)に書評発見。●サイト“Naohide Yamamoto”のPrivateページのBook Review
2000
に書評。●サイト“雑読雑感”にある本の感想コーナー感想文。このコーナーには、この国のかたちの(一)〜(六)までの感想があります。●サイト“株式会社exen”の社長(林秀一氏)のページにある今月の書評・'98年5月に書評発見。●サイト“Naushika's
Books Cabin!
”にある今までに出会った本コーナーに書評
司馬遼太郎記念財団の公式ホームページ■2000年1月には司馬遼太郎全集の66におさめられた。
読書の種資料・他文献情報
■苗字と姓
名田(占有者の名前を冠した田地)のぬしを『本貫の地の「地名」+の+だれそれ』といったが、本貫の地を離れ、「の」が取れていく。坂東では、名田を中央の貴族や寺社に認めてもらうために四姓を名乗り、それが、天皇制が広く下々に広がる契機となったと推論する。
関連書籍■歴史読本特別増刊・事典シリーズ『日本姓氏家系総覧』(新人物往来社、1,500円)、その他■


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